指値と成行の違いを一言でいうと
株を売買するときは、まず「成行(なりゆき)」と「指値(さしね)」のどちらで注文するかを選びます。
違いを一言でいうと、成行は「価格より、すぐに売買できることを優先する注文」、指値は「売買のタイミングより、価格を優先する注文」です。
| 成行注文 | 価格を指定せず、そのとき売買できる価格ですぐに注文を成立させる |
|---|---|
| 指値注文 | 「この価格以下なら買う」「この価格以上なら売る」と価格を指定して注文する |
注文が成立して売買が決まることを「約定(やくじょう)」と言います。
成行はすぐに約定しやすい代わりに価格が確定せず、指値は価格が確定する代わりに約定しないこともある、というのが基本の関係です。
成行注文とは
成行注文は、売買する株数だけを指定し、価格は指定しない注文です。
買いならそのとき売りに出ている一番安い価格から、売りならそのとき買いに出ている一番高い価格から順に約定していきます。
取引所のルールでは、成行注文は指値注文より優先して約定するため、「とにかく今すぐ売買したい」ときに向いています。
成行注文のメリット
- ●売買が成立しやすく、買い逃し・売り逃しを防げる
- ●価格を考えなくていいので、注文がシンプル
- ●急落しているときなど、すぐに手放したい場面で使える
成行注文のデメリット
- ●いくらで約定するかが事前にわからない
- ●売買が少ない銘柄や、値動きが激しい場面では、想定より高く買ったり安く売ったりしてしまうことがある
- ●取引時間外に出した成行注文は、翌営業日の取引開始時の価格で約定するため、夜の間のニュースで価格が大きく動くことがある
指値注文とは
指値注文は、売買する価格を自分で指定する注文です。
買いの場合は指定した価格かそれより安い価格で、売りの場合は指定した価格かそれより高い価格で約定します。
指定した価格に届かなければ約定しません。
例:今の株価が1,000円の銘柄
- ●950円で買い指値 → 株価が950円以下に下がったら買える
- ●1,100円で売り指値 → 株価が1,100円以上に上がったら売れる
- ●株価がその価格に届かなければ、注文は成立しないまま残る
指値注文のメリット
- ●想定より高く買ったり、安く売ったりすることがない
- ●「ここまで下がったら買いたい」という価格で、あらかじめ注文を置いておける
- ●株価をずっと見ていなくても、目標の価格で売買できる
指値注文のデメリット
- ●指定した価格に届かないと約定せず、買い逃し・売り逃しになることがある
- ●株価がどんどん上がっていく場面では、いつまでも買えないことがある
- ●注文には有効期限があり(当日中・期間指定など証券会社ごとに異なる)、期限が切れると取り消される
指値と成行の使い分け
どちらが優れているというより、場面によって使い分けるのが基本です。
| 成行 | 指値 | |
|---|---|---|
| 優先すること | すぐに売買する | 価格 |
| 約定のしやすさ | 約定しやすい | 約定しないこともある |
| 約定価格 | 事前にわからない | 指定価格か、それより有利な価格 |
| 向いている場面 | すぐに買いたい・手放したい | 買いたい価格・売りたい価格が決まっている |
| 向いている銘柄 | 売買が活発な銘柄 | 売買が少ない銘柄・値動きが激しい銘柄 |
初心者のうちは、「すぐに売買したいとき」以外は指値を基本にすると、想定外の価格で約定する失敗を防ぎやすくなります。
指値の決め方
指値注文で迷うのが「いくらに設定するか」です。
代表的な考え方を紹介します。
- ●今の株価に近い価格:すぐに約定させたいけれど、想定外の価格は避けたいとき
- ●チャートの節目:直近の安値(買い)や高値(売り)など、株価が何度も止まっている水準を目安にする
- ●自分の目標:「この価格なら割安だと思う」「ここまで上がったら利益を確定する」という自分の基準で決める
初心者がやりがちな失敗
1. 売買の少ない銘柄に成行で注文する
売買が少ない銘柄では、売りと買いの価格の差が開いていることがあり、成行で注文すると思ったよりずっと高い価格で約定してしまうことがあります。
こうした銘柄では指値を使うのが安全です。
2. 夜や休日に成行注文を出す
取引時間外に出した成行注文は、次の取引開始時に約定します。
その間に大きなニュースが出ると、前日の終値とかけ離れた価格で約定することがあります。
3. 買い指値を今の株価より上に置く
買い指値は「この価格以下なら買う」注文なので、今の株価より高い価格を指定すると、すぐに今の価格で約定します。
「下がったら買いたい」なら、今の株価より下に指値を置きましょう。
4. 指値を出したまま忘れる
有効期限の長い指値注文を出したまま忘れていると、状況が変わった後に思わぬタイミングで約定することがあります。
出している注文は定期的に確認しましょう。
逆指値や、そのほかの注文方法
成行・指値のほかにも、証券会社によってはさまざまな注文方法が用意されています。
| 逆指値注文 | 「この価格以下になったら売る」「この価格以上になったら買う」注文。損切りの自動化によく使われる |
|---|---|
| 寄付・引けの条件 | 取引開始時(寄付)や終了時(引け)にだけ約定させる条件付きの注文 |
成行と指値を、仮想資金で試してみる
成行と指値の違いは、説明を読むより実際に両方を試してみる方がずっと早く理解できます。

「もしも証券」は、仮想資金100万円で日米200社以上の架空企業の株を売買できる無料の株取引シミュレーションゲームです。
銘柄詳細画面の売買パネルで成行・指値を選んで注文できます。
- ●成行注文は、その場ですぐに約定する
- ●指値注文は、30分ごとの株価更新時に条件を満たすと、そのときの株価で自動で約定する
- ●約定するとプッシュ通知でお知らせ(アプリ版)
- ●未約定の注文はポートフォリオ画面で確認できる
実際の取引所とは約定のタイミングなどが異なりますが、「指値を置いて待つ」「約定しないまま株価が離れていく」といった感覚は十分に体験できます。
使うのは架空のお金なので、注文を間違えても実際の資産は減りません。
よくある質問
初心者は指値と成行、どちらを使えばいいですか?
すぐに売買したい場面以外は、指値を基本にするのがおすすめです。想定外の価格で約定する失敗を防げます。売買が活発な銘柄で、多少の価格差よりもすぐに売買することを優先したいときは成行が便利です。
指値注文が約定しないのはなぜですか?
株価が指定した価格に届いていないためです。買い指値なら株価が指値以下に、売り指値なら指値以上にならないと約定しません。また、同じ価格に先に出された注文があると、その価格に届いても順番が回ってこないことがあります。
成行注文で損をすることはありますか?
約定価格が事前にわからないため、売買の少ない銘柄や値動きの激しい場面では、想定より高く買ったり安く売ったりすることがあります。取引時間外に出した成行注文も、翌営業日の取引開始時の価格次第で想定外の価格になることがあります。
指値注文に有効期限はありますか?
実際の証券会社では、当日中・今週中・期間指定など、有効期限を選べるのが一般的です。期限を過ぎても約定しなかった注文は自動で取り消されます。具体的な選択肢は証券会社ごとに異なります。



