損切りとは:値下がりした株を売って損失を確定させること
損切り(そんぎり)とは、買った株が値下がりして含み損を抱えているときに、それ以上損失が広がらないよう売却して損失を確定させることです。
「ロスカット」とも呼ばれます。
反対に、値上がりした株を売って利益を確定させることは「利確(利益確定)」と言います。
| 損切り | 値下がりした株を売り、損失を確定させる |
|---|---|
| 利確(利益確定) | 値上がりした株を売り、利益を確定させる |
| 含み損 | まだ売っていない株の、帳簿上の損失(売るまでは確定しない) |
「売らなければ損は確定しない」と考えて持ち続けたくなりますが、株価が下がり続ければ含み損はどんどん膨らみます。
損切りは、損失を小さいうちに止めて、大きな失敗を防ぐための手段です。
なぜ損切りが大切なのか
損切りが大切な一番の理由は、損失が大きくなるほど、取り戻すのが加速度的に難しくなるからです。
たとえば100万円が50万円に減った場合、元に戻すには50%ではなく100%(2倍)の値上がりが必要になります。
| 10%値下がりした場合 | 元に戻すには約11%の値上がりが必要 |
|---|---|
| 20%値下がりした場合 | 元に戻すには25%の値上がりが必要 |
| 30%値下がりした場合 | 元に戻すには約43%の値上がりが必要 |
| 50%値下がりした場合 | 元に戻すには100%(2倍)の値上がりが必要 |
損失が小さいうちに損切りしておけば、残った資金で別の銘柄に乗り換えて取り戻すこともできます。
一方、損切りできずに50%まで下がってしまうと、資金も身動きも大きく制限されてしまいます。
損切りラインの決め方4つ
損切りで大切なのは、「どこまで下がったら売るか」を買う前に決めておくことです。
代表的な決め方は次の4つです。
1. 買った価格から何%下がったら売る
最もシンプルな方法です。
「買値から10%下がったら売る」のように、下落率でルールを決めます。
何%にするかは投資スタイルによって異なり、短期売買ほど小さく、長期投資ほど大きく設定する傾向があります。
初心者は、まず自分が許容できる損失の大きさから逆算するとよいでしょう。
2. 金額で決める
「この取引での損失は3万円まで」のように、金額で上限を決める方法です。
資産全体に対して1回の取引で失ってよい割合を決めておくと、1回の失敗で資産が大きく減るのを防げます。
3. チャートの節目を割ったら売る
直近の安値など、チャート上で株価が何度も下げ止まっている水準(支持線)を下回ったら売る方法です。
節目を割り込むと、さらに売りが増えて下落が続くことがあるためです。
4. 買った理由が崩れたら売る
「業績が伸びそうだから買った」のに決算で業績が悪化した、など、買った理由そのものがなくなった場合は、株価の下落率に関わらず売ることを検討します。
損切りできないのはなぜ?
頭では損切りの大切さがわかっていても、実際に含み損を抱えると売れなくなる人は少なくありません。
これには人間の心理が関係しています。
- ●損失を確定させたくない:行動経済学では、人は同じ金額でも「得をする喜び」より「損をする痛み」を大きく感じるとされ、損を確定させる行動を避けがちです
- ●「いつか戻るはず」と期待してしまう:下がった株ほど、元の価格に戻ることを期待して持ち続けてしまいます
- ●自分の判断ミスを認めたくない:売ることが「買ったのは間違いだった」と認めることに感じられます
損切りできずに持ち続けた結果、さらに下がって身動きが取れなくなる状態を「塩漬け」と言います。
また、下がった株を買い増して平均の買値を下げる「ナンピン」を繰り返すと、下落が続いたときに損失が一気に膨らむことがあります。
損切りを実行するためのコツ
損切りを守るための4つのコツ
- ●買う前に損切りラインを決め、メモしておく(買った後に決めると甘くなりがち)
- ●逆指値注文を使って自動化する(多くの証券会社で、指定した価格まで下がったら自動で売る注文ができる)
- ●損切りした後に株価が戻っても、ルールを守れたことを評価する
- ●売買の記録をつけ、損切りラインが適切だったかを後で振り返る
損切りは、ルールを知っているだけでは実行できません。
実際に含み損を抱えた状態で「決めたラインで売る」経験を重ねることで、はじめて身についていきます。
仮想資金で損切りを練習する
本物のお金で損切りの練習をすると、そのたびに実際の損失が出てしまいます。
そこでおすすめなのが、仮想資金を使った株ゲームでの練習です。

「もしも証券」は、仮想資金100万円で日米200社以上の架空企業の株を売買できる無料の株取引シミュレーションゲームです。
ポートフォリオ画面で銘柄ごとの平均取得単価と含み損益を確認できるので、「買値から何%下がったか」を見ながら損切りの判断を練習できます。
練習の進め方
- 1買う前に損切りラインを決めてメモする
- 2ラインに届いたら、迷わず売る
- 3売った後の値動きを見て、ラインが適切だったか振り返る
もしも証券には逆指値注文はありませんが、そのぶん「自分で決めたラインを、自分の手で守って売る」という損切りで一番難しい部分をそのまま練習できます。
失敗しても、設定画面からゲームデータをリセットすれば初期資金からやり直せます。
よくある質問
損切りは何%が目安ですか?
決まった正解はなく、投資スタイルや許容できる損失の大きさによって変わります。短期売買では小さめ、長期投資では大きめに設定する傾向があります。大切なのは、何%にするかよりも、買う前に決めたラインを守ることです。
損切りした後に株価が上がったらどうすればいいですか?
損切り後に株価が戻ることはよくあります。結果だけで判断せず、決めたルールを守れたかを評価しましょう。ルール通りに損切りを続けることで、大きな損失を避けられます。
損切りせずに持ち続けるのはダメですか?
必ずしもダメではありません。長期投資で、業績など買った理由が変わっていない場合は、持ち続ける判断もあり得ます。問題になるのは、理由がないまま「いつか戻るはず」と持ち続けることです。
損切りした損失は税金で考慮されますか?
株の売却損は、同じ年の他の株の売却益などと相殺(損益通算)でき、確定申告をすれば翌年以降3年間繰り越せる制度もあります。口座の種類などで扱いが異なるため、詳しくは国税庁や利用している証券会社の案内を確認してください。



